お空はつながっている。過去、そして現在の大気汚染の現状

大気汚染について

かつての大気汚染

今、地球の大気の問題が深刻化しているのは、温室効果ガスのことだけではありません。

本来、大気に含まれない物質が空気中に放出されることによる大気汚染も大きな問題です。かつて日本でも、高度経済成長の代償として、公害病が発生し、大気汚染によって喘息が引き起こされた時代がありました。

昭和の時代には大気中の汚染物質が日光によって変化し、健康に害を及ぼす可能性があるという「光化学スモッグ」が、あちらこちらで発生しました。

今では、工場から排出されるものは厳しく規制されているせいか、「公害」という言葉自体、あまり耳にしなくなりました。

わが国の大気汚染

わが国で最近大気の汚れが最も注目されたのは、東日本大震災後の原発事故の影響についてでしょうか。

当時、テレビでは放射性物質が拡散していることを伝えていましたが、私の住んでいる地域は東北地方から遠く離れているため、近くの人々はさほど神経質にはなっていなかったと思います。

しかし、あるとき、知り合いの男の子の言葉にハッとさせられてしまいました。

それは、「お空はつながっているんだよ。」という、一言です。

原発事故が起こったところが、どんなに遠くてもみんな無関係ではないのです。男の子のお父さんは、単身赴任で遠く離れたところに住んでいて、震災の混乱も経験されたそうです。

大好きなお父さんのいるところのお空も、東北のお空も、私たちの住んでいる地域のお空も全部つながっている、というこの子の言葉は、なんと意味深い言葉でしょう。同じ地球に暮らす仲間は、それぞれが無関係ではなく、みんなお空の下でつながっているのです。

つながる大気汚染

わが国の大気汚染だけではなく、海を渡った外国の汚染もまた、私たちと無関係とは言えません。特に、近隣の国々の大気の汚染は私たちの生活にも深刻な影を落としました。

この春、話題になった「P.M2.5」の影響は、誰もが知るところです。

P.M2.5というのは、自動車や工場から排出される直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質のことです。ガス状の大気汚染物質が粒子化してできることもあるそうです。

このP.M2.5の濃度が高くなると、呼吸器などに持病のある人は息苦しさを感じたりすることがあるばかりでなく、健康な人でも長時間、高濃度の大気の下で生活することによって、喘息になる危険性があると言われています。

このP.M2.5と呼ばれる物質は、主に隣国の中国から偏西風に乗って黄砂と共に運ばれてくることで話題になりました。

黄砂といえば、春の風物詩で、風景が黄色くかすんで見えたり、車の上にうっすら黄色くて細かい砂が積もっていたりするのを見ては、「ああ、今年も黄砂の季節だなぁ。」と感じている人も多いでしょう。

でも今年の黄砂はP.M2.5と結びついて飛来し、日本の大気を汚染すると言われ、多くの人が危機感を抱きました。

このP.M2.5報道の影響で、細かい粒子をシャットアウトできるマスクがたくさん売れ、テレビの情報番組ではマスクの正しいつけ方がレクチャーされるなど、一時期、大騒ぎになりました。

春、よく晴れた日に外で遊びたがる子供たちに、「今日は黄砂が来るから、やめておきなさい。」「外に出るならマスクをしていきなさい。」などと声を掛けたお母さん方もおられたことでしょう。

実際のところ、この大陸からのやっかいな飛来物がどの程度、私たちの生活や健康に害があったのかはよく分からないまま、ブームが去るかのごとく話題が消えていきました。

それでも、このことによって、人々が大気の汚染に改めて目を向け、環境について考えるようになったのは言うまでもありません。

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