地球は人間だけのものではない
地球上の生物全体で考えれば人間の歴史はとても浅いものであり、人間はいわば新参者です。
しかし、人間は大きな顔をして環境を汚染しています。もちろん、種の存続や便利さを考えれば原始時代に戻ることはできません。
しかし、ほかの種と共存し、この美しい星を守るための努力をしたい、そう考える人々が増えているのも事実です。
まずは水を守ることから
環境汚染は、大気・大地・水を汚すことによって始まります。今回は、水に対する汚染を考えてみたいと思います。
湧き水や川の上流の水、人の来ない美しい湾の海水などを思い浮かべてください。それらは透明で臭いもなく、清らかです。本来は、どこの川も湖も水も、そうした状態であるはずです。
しかし、化学物質など生分解(もともと生息している微生物などによる有機物の分解)がされにくいものを流してしまうことで、水は汚染されてしまいます。
水だけではありません。私たちがその命をいただいている魚介類も汚れた水の中で生きていくことになり、それらを捕食する鳥や動物たちにも悪影響を与えることになります。
人間が垂れ流す化学物質は、シャンプーなどを含む洗剤類です。合成洗剤は石鹸カスが残りにくく生活に便利なのですが、生分解されにくいとされています。
そのため石鹸成分がほとんどを占める製品を使おうという人も増えていますが、独特の匂いや使いづらさが原因で敬遠する人もいます。
新しいタイプのエコ洗剤
もちろん、地球のためには洗剤を使わない生活をするのが一番です。しかし、社会生活を営む現代人にとってそれは難しいことです。そこで注目されているのが地球にやさしいタイプの洗剤です。
その特長は2つ、まず天然由来の素材が使われていること、次にもともと生きている微生物の働きを高めることです。
人工的に作られた化学物質より、もともと地球に存在する天然成分のほうが自然にとって分解しやすいことは明白です。
また、漂白剤など除菌力の高いものは有機物を分解してくれる微生物をも殺すことになってしまいますが、これらのエコ洗剤はそれを生かすことで、排水パイプや浄化槽をきれいに保つよう働きかけます。
たとえば、ドイツ生まれの「緑の魔女」シリーズや、アメリカ生まれの「バイオクリーン」シリーズなどがその代表格と言えるでしょう。
これらは石鹸洗剤が苦手な人たちにも好評を博しています。手荒れもなく、使っていて息が苦しくなることもありません。1度に使う量が少量ですむのも良いですね。
みなさんも、次に洗剤を買い替えるときには、環境への負荷をお考えになって選んでみてください。塵も積もれば山となります。ぜひ、環境にやさしい小さな積み重ねを、大勢でしていきましょう。